こんにちは。
松岡ゼミの2回生えびです、3回生になれるかは分かりません。
このブログは定期的に行われる「フリートーク」から議論内容と自身の考えを纏める自由な議事録のようなものですが、以下に綴る文章はほとんど私の反省文です。
来年度から松岡ゼミになる1回生は、あぁこんな失敗をした先輩がいるんだなぁと少しでも学びにしてくだされば幸いです。
もしかしたら同回生になるかもしれませんが。
まず私がフリートークの担当になったのは夏休み前のことでした。
私の記憶が正しければ二番手だったか三番手だったか、何にせよかなり序盤にフリートークを行いました。
今は何月でしょうか?2月です。
今年度が終了しました。
要はかなり序盤にフリートークの担当になりブログをしたためなければいけなかったのに、ここまで引っ張ってきてしまったということです。
これでもブログを書かなきゃ書かなきゃと向き合ってはいたのですが、何かが納得いかず、書きあげることができませんでした。
そもそもとして自分の担当したフリートークが不完全燃焼に終わってしまった感覚があり、本当にこれでいいんだろうか?というもやもやが拭えなかったのです。
何故フリートークが不完全燃焼で終わってしまったのか?
何故どう書いても納得がいかないのか?
考えに考えた結果、私は議題選びを失敗したことに気が付きました。
もっと正確に言えば、議題となった対象への「問い方」を失敗しました。
私が今回提示した議題の対象は、「脱コルセット運動」です。
脱コルセット運動とはフェミニスト達による韓国発祥の社会運動であり、女性を「女性らしさ」から解放するために行われています。
主な活動内容は世間一般的に「女性らしい」とされている服装や髪型、メイクを辞め、短髪、ノーメイクといった「自分らしい」ラフな格好を推奨することです。
“「男性らしい」ともとれる格好をすることが「自分らしい」格好なのか?”
”脱コルセット運動で良しとされている格好を強要することは、「女性らしさ」を押し付けることと何が違うのか?“
“そもそも女性は本当に男性のためにメイクやお洒落をしてきたのか?”
私は脱コルセット運動に対してこのような疑問…正直に言えば反発心を抱き、フリートークの議題に選びました。
「脱コルセットの是非」について、問うたのです。
しかし、今思えばこのような問い方は間違いであったと思います。
それは”この議題ではフリートークが盛り上がらないから“といった理由ではありません。
この問いは、単なる二項対立的な問い方であったからです。
「脱コルセット運動は良いの?悪いの?」
間違っているのか正しいのか、悪なのか正義なのか、メリットはあるのかデメリットは何なのか。
このような是非を決めるだけの問いは、対象の構造や生まれた要因など様々なことを見落とさせます。
そしてそれっぽい問いにそれっぽく考えて、それっぽい結論を出して満足するだけのものになりがちです。
つまり、この問い方は「議論」ではなく「ディベート」であり、そして「社会学」の問いではありませんでした。
(何故ディベート的な問い方が良くないと私が考えているかは、また長くなってしまうのでここでは省かせていただきます)
あんなに「問い」は大切にしなさいと言われてきたのに、そして私自身もディベートではなく議論がしたかったのに何をやっているんだとかなり反省し落ち込んでしまったことは置いておいて、
それではどのような議題設定が適していたのでしょうか?
「脱コルセット運動」についての議題設定を今の私がするなら、きっと脱コルセット運動は単なるきっかけであり、対象にはしなかったと思います。
例えば「何故人は着飾るのか」「メイクは本当に他人のためなのか」など、脱コルセット運動をきっかけにして生まれた疑問を問いにして、対象そのものの是非は問わなかったでしょう。
「社会学」は対象である社会現象の是非を判断する学問でも、社会問題を解決するための学問でもありません。
当たり前のように成立している社会現象に当たり前はなく、全ての社会現象には成立に至った要因が必ずあります。
そういった社会現象の構造やそれらが発生した要因、実態を探る学問、それが「社会学」なのではないでしょうか。
……と私は思っています。
あまりにも興奮状態で拳を突き上げているので、なんだか恥ずかしくなってきました。
社会学のオタクくんなんだなぁと受け流してくだされば私も助かります。
何はともあれ、ある社会現象に出くわしたとき考えるべきことは、「これって良いことなのかな?正しいことなのかな?」ではなく、「何故こうなったんだろう?」であると思うのです。
「脱コルセット運動」は、それをきっかけとして様々な社会現象を考えることができます。そこから様々な問いが生まれます。
それを“脱コルセット運動は正しいのか?”とった二項対立的な問いで終わらせてしまったのは、せっかく社会学ゼミに所属しているのにもったいないことだなぁと思いました。
もちろんこれはフリートークでの話ですので、そこまで堅苦しく考える必要もないっちゃないのかもしれません。
肩の力を抜いて自由に話すことで初めて得られることもたくさんありますからね。
何はともあれフリートークは自由に議題を決めることができ、ゼミメンバーと共有できる貴重な機会です。
来年度から松岡ゼミになる1回生の方々は、私のように不完全燃焼に終わらないよう貴重な機会をぜひ活かしきってくださればと思います。
そしてブログは早めに出しましょう。
(2021年度2回生 えび)